2019年07月18日
上海モーターショーの前日、会場に記者証を取りに行くと、周辺の道路の中央分離帯に大勢のおばさんたちがしゃがみ込んでいる。見ると、移植ごてを使って花を植えていた。
開幕は翌日である。植えるべき場所はまだ数十メートルも残っている。人ごとながら心配になる。
記者証を受け取った後、記者室の場所を確認するため会場内に入った。あちこちで設営作業が続き、会場全体がほこりっぽい。繰り返すが、開幕まで24時間を切っているのである。
翌朝7時半、会場に到着した。中央分離帯の花はきれいに植えられ、会場内のほこりは掃き清められていた。前日ここに来ていなければ、会場づくりが人海戦術と突貫工事で行われたなど想像もつかないだろう。
日本人のように綿密な計画に従って準備する民族は多くはないようだ。2004年、アテネ五輪の2カ月前に現地取材したとき、マラソンのスタート地点では、セメントを地面に流し込む基礎工事をしていた。
かくして上海モーターショーは滞りなく閉幕した。もっと早めに準備すれば安心できるのに、と思うのは、日本人的な偏見なのだろうか。 (浅井正智)