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米フィラデルフィア 気分は不屈のロッキー

2019年08月08日

 2020年の大統領選に向けた民主党候補指名争いでトップを走るバイデン前副大統領による初の大規模集会が、独立宣言が起草された「合衆国建国の地」フィラデルフィアであった。

 会場前にはフィラデルフィア美術館の階段、通称「ロッキー・ステップ」。映画ロッキーで主人公がテーマ曲「Gonna Fly Now」をバックに駆け上がるシーンが有名だ。

 バイデン氏は上院議員初当選以降、45年超の政治経験を誇り、大統領選出馬は3度目。08年にはオバマ氏やヒラリー・クリントン氏に後れを取って撤退し、苦汁をなめた。ロッキー・ステップに向かい国民に団結を呼び掛ける演説では、何度挫折しても不屈の精神で立ち向かうロッキーに自らを重ね合わせていたのかもしれない。

 熱中症で倒れる参加者もいるほどの暑さの中、バイデン氏は終了後に1時間以上、会場に残った支持者1人1人と握手し、写真を撮り、76歳と思えぬエネルギーをみせた。

 ただ、会場内外ではトランプ大統領支持者や急進左派から批判の声も聞こえ、ロッキー同様、選挙戦が曲折をたどることも予感させた。 (金杉貴雄)