2019年10月28日
カンボジア南部の地方都市カンポートに立ち寄った。首都プノンペンから車で約4時間。タイ湾に注ぐ河口近くにある。
街の中心部にある特産品のドリアンのモニュメントがユーモラスで、かわいらしい。川沿いのレストランに入ると、夕日を背景にした船のシルエットと穏やかな風が心地良かった。のんびりした空気が広がり、欧米系の観光客の多さが目に付いた。
直前に訪れた南部の中心都市シアヌークビルは真逆の雰囲気だった。
カンポートからは車で約2時間。カンボジア唯一の深水港を持ち、巨大経済圏「一帯一路」を掲げる中国の進出がすさまじい。街の至る所で中国企業によるホテルやコンドミニアムの建設が進んでいる。誰が使うのかと首をかしげたくなるほどだ。
開発の速度に追い付かず、未舗装の道もあり、貨物トラックが巻き上げた砂で街がほこりっぽい。早朝から車のクラクションで目が覚める。数日の滞在だったが、疲れた。
シアヌークビルは活気があり、国の経済発展の象徴かもしれない。だが、カンポートでたたずんだいっときの方が趣があり、愛着を覚えた。 (北川成史)