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ワシントン 消防士人気の理由は

2020年02月21日

 自宅近くの消防署で、一般公開の催しがあった。4歳の息子と訪ねると、冷たい雨でも多くの子どもで大盛況。みな配られたプラスチックの赤いヘルメットをかぶり、やさしい消防士たちの案内で見学を楽しんだ。

 消防士は、米国ではわが身を顧みず命がけで人々を救う「ヒーロー」で、とても人気がある。街中でも、サイレンをけたたましく鳴らして猛スピードで走る消防車に頻繁に出くわす。

 米国人の知人とそんな話をしていると「消防士は金持ちか貧乏人か、白人か黒人かなどに関係なしに全員を助けるからね」との答えが返ってきた。「それって当たり前では-」との思いが浮かぶと、彼は続けた。

 「例えば、弁護士や医者は金持ちは救うが貧乏人は救わない。救っても破産するほど法外なカネを請求する。警察官は白人は守るが、黒人は有無を言わさず制圧するか発砲する。だから消防士は『ヒーロー』なのさ」

 確かに先日は、自宅でおいと遊んでいただけの黒人女性を、白人警察官が確認せず勘違いで射殺する事件があった。消防士人気の裏に別の理由というのも、極論とは言えない米国社会の現実がある。 (金杉貴雄)

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