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スペイン・イビサ島 「パリピの聖地」体感

2020年03月30日

 ロンドン赴任中に、かなえたい3つの夢がある。スコッチウイスキーの聖地アイラ島で、生がきにウイスキーをたらして食べる夢は実現。今回、地中海に浮かぶスペイン・イビサ島で誕生日を迎えるという夢をかなえた。

 イビサ島は、ダンスに興じるクラブが多い。いわゆるパーティーピープル(パリピ)の聖地。有名DJがプレーし、世界中のセレブが訪れるシーズンは4月から10月まで。冬の間は大半のクラブ、飲食店が閉店するバカンスに特化した島だ。

 昼間は強い日差しのせいか、道行く人は少ない。しかし、クラブが営業を開始する深夜0時を回ると、続々と人が街に繰り出す。最も老舗のクラブを訪れた。入り口の黒服に「日本人」と言うと「クボ、クボ」とサッカー選手の名を連呼された。店内は満員。若者だけでなく白髪のカップルも楽しそうだ。

 ふと、足元に落ちている約5センチ四方の透明な袋に気付いた。中には白い粉。「もしや…」と気付かぬふりをしていると、女性が拾って行った。違法行為とは距離を置く自律性がなければ、この島で上手に遊ぶ大人にはなれないだろう。 (沢田千秋)