2019年09月06日
スコッチウイスキーの聖地アイラ島で、生がきにウイスキーを垂らして食べるのが夢だった。地元のローガンエアの小型航空機は、尾翼がご当地らしい赤いチェック柄。エディンバラから1時間弱で到着した。
島には、ボウモアやラフロイグなど9つの蒸留所がある。テイスティングを楽しんだり、オリジナルグッズを買ったり。ほろ酔いで、青い小さな花ブルーベルが咲く道をのんびり歩きながら、9つすべて巡った。
宿泊したゲストハウスの主人は元軍人のジミーさんで、「スコットランドは景色も人もいいが、唯一の欠点は隣人だ」と言う典型的なイングランド嫌いのスコットランド人。再婚した妻の息子を地元のゲール語学校に入れて「スコットランド人化した」と自慢げに話していた。
肝心の生がき。ボウモア18年を2、3滴垂らして口に含むと、まるで相性抜群の調味料で料理したかのような美味で感激した。しかし、後でジミーさんが教えてくれた。「生がきにウイスキーを垂らすのは日本人だけ」。地元文化ではなかった衝撃。道理で、パブの地元客が、はしゃぐ私たちを不思議そうに見ていたわけだ。 (沢田千秋)