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ベルリン 「新」なのに時代遅れ

2020年04月21日

 「開かずの空港」と揶揄(やゆ)されてきたベルリン新空港の開港が来年10月31日と発表された。当初予定から実に10年越し。設計・施工会社の倒産や設備のトラブルが相次ぎ、開港延期が6回も繰り返されてきた。

 今年5月の報道公開で、搭乗手続き順に施設を見て回った。ターミナル内部は木目のパネルに囲まれ、温かみを感じる雰囲気だったのだが、時代遅れの設備が気になった。

 空港は今、省人化・自動化が進む。スマホのアプリで予約し搭乗券もスマホでピッ。入国審査も顔認証の時代だ。ところが、新空港には自動チェックイン機もなく、有人カウンターがずらり。手続きを待つ長蛇の列ができるだろうと思った。

 ベルリンには今、テーゲルとシェーネフェルトの二つの空港がある。新空港はシェーネフェルトを拡張して整備されたのだが遠いのも不便だ。中心部から電車で1時間近くかかる。

 出張では、地下鉄やバスで30分以内に行けるテーゲルをよく利用する。首都の玄関口としては正直、狭くてしょぼい。「自動」の設備もほぼないのだが、同じ時代遅れなら近さ以上の便利さはない。 (近藤晶)