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ミュンヘン 差別というウイルス

2020年06月22日

 各国の首脳や閣僚らが多数集まる安全保障会議の取材で訪れたドイツ南部ミュンヘン。プレスセンターの入り口には消毒用のジェルが置かれ、昨年とは明らかに雰囲気が違った。

 というのも、ドイツで初めて確認された新型コロナウイルスの感染者は、中国人出張者と接触したミュンヘン近郊にある企業の社員だったからだ。地下鉄に乗っていても何となく周りの視線を感じた。

 会議前日に取材パスを受け取りに行ったら、なぜか用意されていなかった。すると担当の女性が「中国人?」と聞いてきた。パスは新たに作ってもらえたのだが、中国人だったらどうなったのだろうと思った。

 ミュンヘンに取材に来ていたベルリン駐在の日本人記者の一人は、路上で若者に「中国! コロナ!」と、はやし立てられたという。東洋人はみな同じように見えるのだろうが、間違われることが問題ではない。

 安保会議で演説した世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は差別や嫌悪ではなく、連帯を訴えた。新型肺炎が終息したとしても、差別というウイルスとの闘いは長く続くかもしれない。 (近藤晶)

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