2020年11月03日
帰国の挨拶(あいさつ)状を送った台湾の友人から「帰国前に、うちの農園に来ないか。今、竜眼(りゅうがん)の最盛期」と誘いがあった。竜眼は茶色い皮に実を包んだ南国のフルーツ。せっかくの機会なので、竜眼狩りに出かけた。台中で高速道路を降りて細い道を約1時間。南投県の山の斜面に、友人の農園はあった。
農園には、竜眼のほかバナナ、パパイア、パッションフルーツ、ライチなどの果樹が無造作に育つ。狭い平地には、カボチャやタケノコも。友人が言うには、道ばたで実をつける竜眼は「父が要らない木を切り取って捨てたのが根付いた」のだとか。さすが果物の宝庫、台湾。竜眼は高さ2、3メートルの木に100個以上の実がなっており、それを豪快に枝ごとポキッ、ポキッと折って収穫する。
ただ竜眼は食べるのが面倒。皮が厚くて硬い。皮むきに苦戦していると、「こうやるんですよ」と友人が教えてくれた。親指と人さし指で挟んで、ずらすように押すと、皮に割れ目ができる。そこをむけば、実がひょっこり。やってみると確かに簡単だ。1つ2つと食べているうちに、ちょっとした台湾通になったような気分になった。 (迫田勝敏)