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パリ 表現の自由守る信念

2021年05月18日

 上海の住宅街にある庶民向けの美容室はカットで八十元(約千三百円)。担当してくれた安徽(あんき)省の農村出身の女性(30)は、原宿にいそうなオシャレな身なりでなまりのない普通話(標準語)を喋(しゃべ)り、サービスも良い。

 経歴を聞くと「成績が悪かったから高校中退」。地方都市で工場勤務や小売店の販売員などを転々とし、七年前に上海で美容師を始めた。「お母さんが理容師だったから、その世界には絶対に入りたくなかったが、今はやるほど仕事が面白くなっている」と笑みを浮かべた。

 「美容師の給料は上海も安徽省の田舎も変わらない」というが、上海は生活コストが高い。そのため古いアパートの一室を二人でシェアして暮らしている。地元に戻れば広い家に住めるが「おいしいケーキ屋やレストランが一軒もない」のが地元に帰りたくない最大の理由。結婚願望もないので今の「自由な暮らし」に満足しているそうだ。

 帰りがけに「予約アプリの口コミを私に書かせて」と頼まれた。自作自演をいとわない姿勢に苦笑してしまったが、大都市で力強く生きてほしいと願い「好きなだけコメント書いて」とスマホを渡した。 (白山泉)

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