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ウィーン 液体でもあるチーズ

2022年04月13日

 「かばんに液体が入っていますね?」。オーストリアの首都ウィーンの空港で、手荷物エックス線検査にひっかかった。水のペットボトルは捨てたし、特に思い当たる物もない。かばんをチェックされ、中から取り出されたのは何とチーズだった。

 確かにお土産用にチーズを買った。しかし、これはチーズであって液体ではない。そう説明したが、係員によると「ちょっと溶けているから、ひっかかった」とのことだった。何とも不可解で、係員に「これは何だと思う?」と尋ねると、「チーズだ」との答えが返ってきた。

 「液体」の疑いがかけられたチーズは全部で5個。1個ずつ特殊な機械でチェックされ、赤いランプがつけば液体、緑ならセーフ。祈るような気持ちで見守っていると、2個で赤いランプが点滅。「液体」の判定が下り、あえなく没収された。

 それにしても悔しい。係員からは「もっと固ければパスしたと思う」と言われた。さらに、パンに挟んでサンドイッチ風にして持ち込めば大丈夫だったかもしれない、とも。冗談か本気かは分からない。が、皆さんも気を付けてほしい。チーズは液体でもある。 (蜘手美鶴)