2022年09月29日

　仏カンヌ国際映画祭で高く評価された韓国映画「ベイビー・ブローカー」の是枝裕和監督や主演のソン・ガンホさんらがソウルに戻って開いた記者会見に参加した。

　映画館の会見場にはメディア関係者しか入場できなかったが、外には名優らを一目見ようと多くのファンが詰めかけた。いわゆる「出待ち」を嫌う芸能人も多いと聞くが、会見後にファンの前に出てきたソンさんらは粋だった。

　事情がある親が新生児を預ける「赤ちゃんポスト」から、赤ちゃんを奪って売る男を演じて主演男優賞に輝いたソンさんは、役のイメージを保つためか、笑顔を封印していた。ただ、あえてゆっくりと歩き、ファンに写真を撮らせる機会を設けてくれたようだった。女優のＩＵさんは手をふりながらかれんに歩き、韓国で「国民の妹」と呼ばれて愛される訳がわかった。

　是枝監督は、韓国で映画を撮った理由を「一緒に仕事したいと思う俳優が韓国にいたから」と語った。抜群の演技力に加え、ファンに「神対応」もする韓流俳優たちに私も心を引かれた。　（相坂穣）