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米ベセスダ 日曜大工のとりこに

2022年12月26日

 首都ワシントン郊外のベセスダにあるわが家は、築60年以上の古い一軒家でいろいろな物がよく壊れる。入居早々、備え付けの洗濯機と乾燥機が動かなくなって、大家さんに修理をお願いしたが、業者の対応は何ごとにもゆっくりな「アメリカ時間」。修理が終わるまでとにかく時間がかかるので、細かな不具合は自分で直すことにした。

 家の近くにあるホームセンターの「ホームデポ」で工具類を買い込み、下がったままのブラインドを取り換え、壊れた便器の取っ手を付け替えた。家が古い分、設備の構造はシンプルなので素人でも修理がしやすい。ただ、トラブルは不具合だけにとどまらず、虫たちも悩みの種。クマバチが大量発生したときは屋根に上って巣穴を探し、殺虫剤で駆除した。

 米国人の友人によると、アメリカでは家の修理や害虫駆除は自分でやることが多く、「だからホームデポが人気なんだよ」と笑う。転勤族でマンション暮らしが長かった私も、自分で物を直すことが自信につながり、すっかり日曜大工のとりこに。今ではホームデポで工具や補修材を眺めるのが休日の楽しみになっている。 (浅井俊典)