ジャンル・エリア : スポーツ | 山 | 石川 | 自然 | 花 2019年07月09日
白山南竜山荘が導入
快適な睡眠で疲れを癒やして安全な登山を-。霊峰白山(2,702メートル)中腹の南竜ケ馬場(標高2,080メートル)にある県所有の山小屋「白山南竜山荘」は、ベッドに簡易間仕切りを設置し、利用者に耳栓を無料配布する「安眠プロジェクト」を始めた。快適に過ごせると、登山客の反応も上々だ。(吉田拓海)
南竜山荘は高山帯よりも低い標高に位置するため、頭痛や目まいといった高山病の症状が表れにくい。登山道が整備されていてアクセスも容易なことから、若い登山初心者や中高年など幅広い世代の登山客が利用している。
山小屋は収容能力に限度があるため、繁忙期には見知らぬ人と隣り合わせで寝るケースがある。南竜山荘では、通称「カイコ棚」と呼ばれる2段ベッドが並ぶ客室が4室あり、満室時には1部屋を32人で共有する。
指定管理者の白山市地域振興公社の加藤秀正さん(55)は「他人のいびきや歯ぎしり、夜間にトイレに行く際の音が気になって満足に眠れなかったといった相談が以前からあった」と話す。より快適に過ごしてもらおうと今季から始めた安眠プロジェクトでは、木製の簡易的な間仕切りを用意。ベッドの枕元に設置し、寝る時に頭や顔が隣から見えないようにした。
耳栓も1000個用意し、無料で配布。同公社職員で山小屋の主任管理者の永吉興さん(51)は「他人を気にしないでゆっくり休めると好評」という。
南竜山荘周辺では、ハクサンコザクラやクロユリといった高山植物も見られる。永吉さんは「より快適になった南竜山荘に満天の星と咲き誇る花々を見に来て」と宿泊を呼び掛けている。