ジャンル・エリア : 歴史 | 石川 2020年01月23日
中能登町の国史跡「雨の宮古墳群」が、大手旅行社のツアー商品に初めて組み込まれた。歴史的価値だけでなく、観光地としても注目を集める同古墳群。パンフレットでは、登れるピラミッドとして知られるメキシコの「テオティワカン遺跡」になぞらえ、「日本のテオティワカン」と紹介されている。(稲垣達成)
組み込まれたのは、阪急交通社のツアー。3~11月に、のと鉄道(穴水町)や大型バスで輪島市の輪島朝市や白米千枚田、羽咋市の気多大社など能登地方の観光地を2泊3日で回る。
同古墳群には最終日に訪れる。阪急交通社の担当者は「登れる古墳というのが珍しいほか、古墳の上から能登の里山と里海を見渡せる」と魅力を語る。年明けからリピーター、今月20日からは一般にも販売を開始。同社によると、すでに1200人以上の予約があり、年間で約8000人の利用を目指している。
同古墳群は中能登、志賀の両町と羽咋市にまたがる眉丈山(188メートル)の山頂を中心に広がり、36基の古墳からなる。中でも一号墳(前方後方墳)と二号墳(前方後円墳)は全長60メートルを超え、能登地方最大級とされる。
中能登町の観光特使、山崎研一さん(48)は「中能登を中心にルートを作ることで、1日に複数の観光地を回れる。神秘の泉ともいえる御手洗(みたらし)池(七尾市)をはじめ新たな素材を組み込むことで、お客さんをさらに増やせる。これまでは奥能登が中心だったが、能登の見せ方が変わるかもしれない」と話している。