ジャンル・エリア : グルメ | 静岡 2020年05月15日
香ばしい焼きたてパンが並ぶ棚には、コロナ封じを願う妖怪「アマビエ」を描いた黒糖やクリーム、あんパンが並ぶ。ブロートリーベン都田店(浜松市北区都田町)の小山めぐみ副店長は「おどろおどろしい姿を表現するのは苦労する」というが、御利益を願う人たちに人気を呼び連日完売だ。
江戸時代に疫病が流行した際に、その姿を描いて人々に見せると収まると言い伝わるアマビエ。コロナ騒動では会員制交流サイト(SNS)で投稿されたり、飲食店が商品のモチーフにしたりと注目を集める。
「ここ数カ月は売り上げも落ち込み、何とかしたかった」と小山さん。昼夜問わず5日ほど考えてアマビエパンにたどり着いた。黒糖パンは、型枠に小麦粉をたっぷりかけてアマビエが浮かび上がるように工夫。クリームパンとあんパンは、はさみで生地にうろこ模様を作り、髭(ひげ)やくちばしなども丁寧に表現した。
同店では密集や密接を避けるため、入場制限をして対応しているが店外での食事も再開した。アマビエ効果は、コロナ禍で落ち着かない日常をしばらく忘れさせてくれそうだ。
写真、文・山田英二