ジャンル・エリア : まちおこし | 展示 | 歴史 | 近畿 | 鉄道 2020年06月01日
日野町の近江鉄道日野駅に隣接してミュージアム「鉄道資料展示室」が完成し、31日に完成式があった。町へのふるさと納税の一部を活用して整備し、120年にわたる町の玄関口の歴史を伝えている。
町が2016年から進めてきた総事業費1.4億円に及ぶ駅再生プロジェクトの一環で、締めくくりの事業。これまでに駅舎や、上りホームの待合所などを整備した。展示室は3月に完成していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、お披露目が延期されていた。
展示室は20平方メートルほどの広さで、かつての観光案内所を改修。日野商人らが駅の設立を呼び掛けた1893年から、今年3月のプロジェクト終了までの年表と、駅舎の変遷を紹介するパネルや、列車同士の接触を防ぐ装置「タブレット閉塞(へいそく)器」といった鉄道部品など、計50点の資料が並ぶ。
展示室の外には、駅構内で貨車を移動させるために使われた1960年製造の「タッグローダー」も置かれ、修繕を終えて公開された。現存しているのは国内でもわずか数台とされており、新たな町の観光名所となりそうだ。
テープカットに参加した藤沢直広町長は「近江鉄道の存続に向けた機運の醸成にもつながれば」と期待を寄せ、近江鉄道の飯田則昭社長も「町の皆さんの大きな力、愛していただいている気持ちを大切にして、事業運営の励みにしたい」とあいさつした。展示室は入場無料。午前9時〜午後5時に自由に入れる。
(斎藤航輝)