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【滋賀】駅改札から見た戦争風景、出征から敗戦の記録 日野で企画展

ジャンル・エリア : イベント | 展示 | 歴史 | 近畿  2020年08月21日

警報のあった日を青字で示した年表。昼夜を問わず、連日のように発令されたことが分かる=日野町の近江日野商人館で

警報のあった日を青字で示した年表。昼夜を問わず、連日のように発令されたことが分かる=日野町の近江日野商人館で

 戦地や軍需工場に送られた日野町民や、大阪から町内へ疎開した子どもらが使った近江鉄道日野駅にまつわる記録を紹介する企画展「日野駅改札口から見た日野町と太平洋戦争」が、同町の歴史民俗資料館「近江日野商人館」で開かれている。30日まで。(斎藤航輝)

 1931年の満州事変から、45年の終戦の日までの記録をまとめた年表と、町内での写真が並ぶ。当初は多数の町民や出征のぼりで華々しく見送られたが、徐々に遺骨の出迎えが増え、終盤には身内だけでひっそりと送り出されるようになったことが、戦況の変化とともに分かる。

 学童疎開した子どもが終戦後、当時の東桜谷村の住民にあてた手紙も展示。豊かな語彙(ごい)力で感謝や懐かしさを伝える文面は読み応えがあり、「今までの苦しみで、始めて日本が自由に目がさめたのだと思ふと、あの思ひ出の生活も一つの修練だと考へます」といった心境もつづられている。

 同町の小中学校の教員だった満田良順館長(73)が、校内に保管されていた戦時中の資料を整理した。「経験者がいなくなり、生々しい記録や記憶は出てこなくなっている。一つの文化財として後世に残し、どんな理由があろうとも戦争はだめだということを伝えたい」と話した。

 月、火曜休館。町民は入場無料。(問)同館=0748(52)0007