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【岐阜】昼食時の憩いの場に 大垣・ソフトピア西側にテラスオープン

ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 岐阜  2021年03月02日

キッチンカーや屋台の4店舗が並んだ「ソフトピアテラス」。右端が十六兆=大垣市加賀野で

キッチンカーや屋台の4店舗が並んだ「ソフトピアテラス」。右端が十六兆=大垣市加賀野で

 大垣市は1日、路上や広場での飲食物などの販売を支援する事業「まちなかテラス(まちテラ)」の対象区域に、ソフトピアジャパンセンタービル(加賀野)西側の緑地を追加した。「ソフトピアテラス(ソフテラ)」と銘打ち、昼食時の憩いの場を提供する。

 街路樹に囲まれてベンチが置かれた1200平方メートルほどのスペースに、カレーやサンドイッチ、アユ料理、クレープなどを販売する11店舗が、屋台やキッチンカーなどで日替わり出店。時間は平日午前11時から午後2時で、受取時間を指定した予約注文もできる。初日の1日は4店が出店し、周辺のオフィスで勤務する人らが集まり、昼食を買い求めていた。

 市は昨年7月から、コロナ禍で影響を受けた飲食店の支援と市街地活性化を目的に「まちテラ」を始め、路上営業に必要な占用料を免除している。12月からは市役所西側の丸の内公園で毎週金曜の同時間帯、キッチンカーなどが持ち帰り商品を販売する「まるのうちテラス(まるテラ)」を開いている。いずれも荒天時は中止。
 (芝野享平)

十六兆が屋台の看板商品に作った「鮎料理専門店の特製ちらし」

十六兆が屋台の看板商品に作った「鮎料理専門店の特製ちらし」

アユ料理「十六兆」初の屋台

 「ソフテラ」に、大垣市十六町のアユ料理専門店「十六兆」が、創業以来初の屋台を出店した。コロナ禍により厳しい状況が続く中で「店を知ってもらえる好機」と決断。家族経営の店が新たに従業員を雇い、コロナ収束後を視野に入れて自慢の味を届ける。

 十六兆は小堀勝由樹さん(66)の父が1969(昭和44)年に始めたアユの養殖が始まり。勝由樹さんが93年に料理店を開き、現在は妻の小恵子さん(61)、息子の陽平さん(37)と家族で経営している。

 コロナ禍は十六兆も直撃したが「図らずも転換期だった」と勝由樹さん。起業を経験した陽平さんが30歳で家に戻り、自慢の味を「どう売るか」に注力。それまでなかった贈答用の瓶詰め商品を売り出しており、この1年は新商品の開発や販路の拡大に費やした。

十六兆がコロナ禍で力を入れてきた瓶詰めなどの商品=いずれも大垣市十六町で

十六兆がコロナ禍で力を入れてきた瓶詰めなどの商品=いずれも大垣市十六町で

 小恵子さんの発案で、今年の節分に初めて恵方巻きを売り出した。100本を見込んでいたところ、予約が殺到し500本を販売した。思いがけない人気に、当日の急な問い合わせには対応できず、泣く泣く断った人もいたという。陽平さんは「やってみるものだな、と思った」。この時の手応えが出店を後押しした。

 新たに男性1人を採用。小堀さん一家を含めて4人全員が調理師免許を取得しており、調理も接客も分担できる。屋台の看板商品として「鮎(あゆ)料理専門店の特製ちらし」(税込み800円)を開発。好評だった恵方巻きを丼にした一品で、ちらしずしはひな祭りにちなんで3月いっぱいの限定発売を考えている。5日は「まるテラ」に出店する。

 勝由樹さんは「屋台といえども専門店のカラーを出したい」と話す。陽平さんは「もっと盛り上がるといいな。うちが元祖といえる料理がいくつもあるので」。環境の変化に弱いとされるアユ。その繊細な味を届け険しい時代を泳ぎ抜く。 (藤野治英)