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【福井】重文の経本や江戸時代の絵巻 若狭歴史博物館21年度新収蔵品展

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 福井 | 芸術  2022年05月12日

江戸時代の小浜の景色が描かれたとされる「紙本著色若州雲浜八景図絵巻」を見る来場者=小浜市遠敷の若狭歴史博物館で

江戸時代の小浜の景色が描かれたとされる「紙本著色若州雲浜八景図絵巻」を見る来場者=小浜市遠敷の若狭歴史博物館で

 小浜市遠敷の若狭歴史博物館で、2021年度中に収蔵した民俗や歴史、美術品など新資料の企画展「令和3年度 新収蔵品展」が29日まで開かれている。展示しているのは約40点。同館が寄贈や寄託を受けた品や購入した品が主で、大まかな調査を終えている。(相原豪)

 新資料のうち平安初期に作成されたとされる重要文化財「紙本墨書大般若経」全600巻は、遠敷5区自治会連合会から寄託を受けた。もとは若狭彦神社に伝わるものだったが、明治時代の神仏分離令により遠敷5区に移された。以後同地区で大切に保管された。展示では2巻を公開している。

 江戸時代の小浜の景色とその様子を詠んだ詩歌を収めた「紙本著色若州雲浜八景図絵巻」は、久須夜ケ岳や小浜城、後瀬山など8つの景色が淡いタッチで描かれている。作者は分かっていない。明治時代から続いた小浜の若狭めのう細工店の資料からは、職人の技術への信頼や発注の状況がうかがえる。

 小浜市内の商店街にかつてあった2軒の映画館の割引券や、若狭町の農家が1975年ごろから40年以上使った梅の選果器も展示している。同館の川波久志学芸員(43)は「資料収集は博物館の活動の1つ。映画館のチケットひとつからも街の歴史が分かる。こういうものも資料になるんだなと知ってもらえれば」と来場を呼びかけた。

 休館日は23日。一般は常設展示観覧料の310円で観覧可。高校生以下と70歳以上は無料。