ジャンル・エリア ： 展示 | 岐阜 | 工芸品 | 歴史　 2022年06月28日

複製した棺おけなどが並ぶ展示会場

　古代エジプトのツタンカーメン王の「黄金のマスク」などの複製品の特別展が、高山市中山町の光ミュージアムで開かれている。９月５日まで。同マスクをはじめ、再現秘宝として国内初公開となる展示物も多い。　（八重樫智）

　ハワード・カーターによるツタンカーメン王墓の発掘から１００年と、フランソワ・シャンポリオンによるヒエログリフの解読から２００年になる今年、古代エジプトの死生観や高度な工芸技術に触れてもらおうと企画。エネルギー事業などを手掛ける「ＣＭＥモルゲンランド」（千葉県）が収蔵する作品を展示した。

　展示品は、エジプト・ミニア大のムスタファ・エザビィ教授が、本物と同じサイズでほぼ同じ材料、製法を使って再現した。棺おけを納める大きな箱「木製金箔（きんぱく）貼りの厨子（ずし）」や、ミイラになる人から取り出した臓器を納める「カノボス容器」、宝飾品などの複製品約４０点を並べた。

　カイロの大エジプト博物館に収蔵されている実物の黄金のマスクの裏側には、装飾の一部に欠損があるが、展示品はその欠け具合も精密に再現している。学芸員の今泉たまみさん（５５）は「３３００年前の精巧な秘宝を、間近で見られる。エジプトの死生観に思いをはせてほしい」と来館を呼び掛けている。

複製した「黄金のマスク」の裏側。一部に欠損がある実物と、同じ状態に加工している＝いずれも高山市中山町の光ミュージアムで

　エジプト考古学に詳しい村治笙子さんのエジプト講座が７月３０日午後１時から、展示解説が３１日午前１０時半から、それぞれ開かれる。先着順で要予約。（問）光ミュージアム＝０５７７（３４）６５１１