ジャンル・エリア : 自然 | 花 | 静岡 2022年07月21日
浜松市南区の五島海岸で、青紫色の「ハマゴウ」の花が見頃を迎えている。全国でも有数の群生地で、地元の有志が長年種まきや自生地の保護などの手入れを続けてきた。9月ごろまで楽しめる。
ハマゴウは、高さ30センチほどのシソ科の低木で、砂地で生育する。同海岸では、約200メートルにわたって群生し、花を咲かせている。実は「蔓荊子(まんけいし)」と呼ばれる生薬として用いられ、鎮痛や解熱、消炎作用をもつとされる。葉や実から、ミントのようなさわやかな香りがするため「浜香」と呼ばれるようになったと言われている。砂地に根を張り、風による砂の飛散を防いでくれるという。
五島海岸では環境団体「浜松の海を守る会」が、2003年ごろから、自生するハマゴウを種まきなどで増やし、保護を続けてきた。守る会の清水浩利代表によると、近年、群生地の中を車が走行するようになった。車の重みで砂地が踏み固められると、ハマゴウが育たなくなってしまうという。会では7月上旬、車の進入を防ぐための木の柵を設置した。
清水代表は「海岸を守ってくれるハマゴウの環境を荒らさず、かわいらしい花と香りを楽しんで欲しい」と話す。 (渡辺真由子)