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【石川】にぎわい願い 収集品公開 県議長・石田さん 富来の自宅近くにギャラリー

ジャンル・エリア : まちおこし | 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術  2022年10月12日

長年収集した貴重な美術工芸品を公開した石田忠夫さん=志賀町富来領家町で

長年収集した貴重な美術工芸品を公開した石田忠夫さん

人間国宝や著名作家らの品々

 県議長の石田忠夫さん(79)が、志賀町富来領家町の自宅近くに、父と自身が長年収集した人間国宝や著名作家らの美術工芸品を一挙公開する「ISHIDAコレクションギャラリー」を開設した。人口減で過疎化に歯止めがかからない地元を少しでも活性化したい思いで、自宅近くに建設。無料で気軽に鑑賞でき、にぎわいにつなげたい考えだ。(室木泰彦)
 
 石田さんは地元総合建設業の石田工業から県議となり8期目、現在2回目の県議長を務める。2002年に84歳で亡くなった創業者の父外治(そとじ)さんが集めた美術品が多数残り、石田さん自身も絵画や陶器、彫刻などを収集してきた。県議を長年務める中で人脈も広まり、国内著名作家をはじめ能登ゆかりの作家らの作品も多数所有し、ギャラリーでは80点近く並べた。

 中に入り通路を進むとまず地元ゆかり画家らの絵画がずらり。冬の日本海の強風を防ぐ昔ながらの間垣で知られる輪島市大沢地区の光景を描いた高崎高嗣氏の絵画、地元景勝地・巌門や西海、風無の漁港などなじみの風景画が並ぶ。小松市生まれで柔らかいタッチで雪国を描き日本芸術院会員だった故塗師祥一郎さんの作品もある。

地域のにぎわいづくりを願って開館したコレクションギャラリー=志賀町富来領家町で

地域のにぎわいづくりを願って開館したコレクションギャラリー=いずれも志賀町富来領家町で


 
 ガラス張りのメイン展示スペースでは文化勲章を受けた日本画の故平山郁夫氏の「浅春」、作者が定かでない「聖徳太子図」、加賀藩主前田利家自書の古文書、金沢の漆芸文化を広めた清瀬一光氏の蒔絵(まきえ)を施した飾棚、歌川広重が60余州名所図会で能登金剛を描いた「能登瀧之浦(たきのうら)」などが並ぶ。
 
 輪島塗では沈金人間国宝で県立輪島漆芸技術研究所長の前史雄氏の香合、九谷焼では人間国宝の3代徳田八十吉氏の耀彩鉢、吉田美統(みのり)氏の飾皿など、彫金人間国宝の中川衛(まもる)氏の象嵌(ぞうがん)もある。一方、県議同士で親交があり、後に白山市長(合併前は松任市長)などを務めた故角光雄氏の刻書「鵬面」も展示する。
 
 場所は町役場富来支所(富来活性化センター)に近く、増穂浦ショッピングモールアスクから国道249号を挟んで向かい側の少し中へ入った敷地。石田さんは「長年集めた作品をせっかくなので多くの方に見ていただきたい。作品保存で温度管理など維持費はかかるが、地域のにぎわいになれば何より」と話す。平日と土曜(毎月第2、4除く)の午前9時~正午開館。