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【岐阜】古墳から知る7世紀の東濃 土岐・美濃陶磁歴史館で出土品展示

ジャンル・エリア : 展示 | 岐阜 | 文化 | 歴史  2023年03月06日

乙塚、段尻巻両古墳の出土品などが並ぶ会場

乙塚、段尻巻両古墳の出土品などが並ぶ会場

 土岐市泉町久尻の市美濃陶磁歴史館は、市内にある国指定史跡の乙塚古墳、段尻巻(だんじりまき)古墳の整備完了を記念した企画展を開いている。両古墳のほか周辺遺跡の出土品を展示し、ヤマト王権と深い結び付きがあった人物が支配した東濃地域の当時の様子を紹介している。6月4日まで。

 乙塚古墳は7世紀前半の大型方墳。当時の大型方墳はヤマト王権と親しい地域の豪族のみに許された墓で、この地域が王権の直轄領最東端にあたったことからも、支配者は王家と深い結びつきがあったとされる。

 段尻巻古墳は乙塚古墳と同時代の円墳。埋葬者は乙塚古墳に埋葬された豪族と近い関係であったとされる。石室内で見つかった土師(はじ)器の長頸壺(ちょうけいこ)は畿内の遺跡で見つかっており、王権とのつながりを示す品という。

 両古墳から出土した土師器や須恵器など約40点以外に、東濃地域の遺跡から見つかった遺物など210点ほどを展示する。乙塚古墳では石室内の再利用で副葬品はほぼ失われたが、鳥の形をしたつまみのあるふたなど価値のある品も並ぶ。

乙塚古墳から出土した鳥の形のつまみのふた=いずれも土岐市泉町久尻の市美濃陶磁歴史館で

乙塚古墳から出土した鳥の形のつまみのふた=いずれも土岐市泉町久尻の市美濃陶磁歴史館で

 市は2019年度から両古墳の史跡整備を実施。22年度の事業完了を機に、一般の人にも広く知ってもらおうと企画展を開いた。

 同館は別の展示室で、市内の元屋敷陶器窯跡から出土した重要文化財の茶わんなども展示している。入館料は一般200円、大学生100円、高校生以下無料。(問)市美濃陶磁歴史館=0572(55)1245

 (脇阪憲)