ジャンル・エリア : 三重 | 自然 | 花 2023年04月13日
全国で5本しか確認されていない、いなべ市指定の天然記念物「コノハナザクラ」が、同市員弁町板東新田の水谷重昭さん(85)宅の庭で満開を迎えた。一輪が40~50枚の花びらからなるのが特徴で、ふんわりとボリュームある薄ピンク色の花が咲き誇っている。今週末まで楽しめそう。
コノハナザクラはヤマザクラが自然の中で変異した品種。八重咲きで、めしべが2~4個ある花が半数以上を占める。野生種が生えるのは国内でいなべ市以外では、東員町に2本、京都府亀岡市と津市に1本ずつあるだけで、ソメイヨシノより1週間遅く開花するという。
水谷さんは「実を育てても普通のヤマザクラに先祖返りする。貴重だから枯らさないように手入れしてきた」と話す。推定樹齢は170年ほど。1959年の伊勢湾台風で枝が折れたが、現在は庭いっぱいに枝が伸びている。
花は一部で散り始めており、水谷さんは「花びらが多いから、花吹雪とともに庭がサクラのじゅうたんになるのが、また美しいんだ」と目を細めた。観賞に訪れる人を歓迎しているという。(篠崎美香)