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【愛知】250キロへの挑戦 ぜひ応援を ネイチャーラン 22日スタート

ジャンル・エリア : スポーツ | 愛知  2023年04月20日

 

 

 今年1月、ハンドボール女子「HC名古屋」をご紹介したところ「これまで知らなかった」「一度応援に行ってみたい」と好評の声をいただきました。ではこんな大会の応援はどうですか。

 「さくら道国際ネイチャーラン」。名古屋市から金沢市まで250キロもの道のりを36時間以内で走り抜く、国内でも有数の厳しい大会。今年は22日の午前5時に名古屋城からスタートして、金沢の兼六園を目指します。

 大会の参加者募集要項は、開催の趣旨を「沿線市町村をジョギングで通過することで佐藤氏の遺志を受け継ごうとするもの」としています。

 佐藤氏とは佐藤良二さん。かつて名古屋と金沢との間を走っていた旧国鉄バスの車掌だった人です。「太平洋側と日本海側を、桜のトンネルで結ぼう」と決意して、私費で桜の苗をバス沿線に植え続けました。その数2000本とも。

 残念なことに、佐藤さんは1977年、まだ47歳の若さで亡くなります。しかしその気持ちを継ごうと岐阜県郡上市などが中心となって、毎年春に開く大会なのです。

 始まったのは1994年。ですが、新型コロナのために2020年から中止が続いており、4年ぶりの開催です。

 距離の長さに加え、途中の「ひるがの分水嶺(ぶんすいれい)」(岐阜県郡上市ひるがの地区)近辺は標高870メートルを超え、平野部とは大変な高低差があるのがこのコースの特徴です。その厳しい道のりで心身とも疲れ切りながら、なおも兼六園を目指して走るランナーの姿はときに神々しいほどです。

 そのランナーたちを支えているのが、沿道に設けられるエイドステーション。およそ50カ所、みな地元の住民らボランティアが運営します。

 その中には長年ランナーを温かく迎え「おばちゃん」と親しまれてきた本田よのさん(郡上市)のような人気者もおいででした。残念ながら、大会が休止された20年春、98歳で死去されましたがその生前、中日新聞の取材に対し「ランナー全員を自分の子のように思っている」と述べた「おばちゃん」の思いを受け継ぐ人々が、ランナーたちをいたわり、激励する光景は、今年もまた沿道のあちこちで見られることでしょう。

 コース概要と、ランナーの通過時間の目安を地図にしてありますからご覧ください。名古屋から北に向かい、郡上市内を通って、木彫で有名な富山県の南砺市で西に転じ、金沢へと至る道筋です。もしご都合がよろしければぜひ、応援にお出かけください。

 私は名古屋城でスタートを見届けてから、電車で金沢へ向かいます。 (三品信)

(中日新聞夕刊 2023年4月20日掲載)