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【岐阜】空き家活用の民泊が人気 下呂市金山、GWはほぼ埋まる

ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 岐阜 | 自然 | 野菜  2023年05月10日

「花緑里菅田ほたるの里」の玄関に立つ細江弘子さん

「花緑里菅田ほたるの里」の玄関に立つ細江弘子さん

 下呂市金山町で空き家を活用した民泊施設が先月、相次いで開業し、ゴールデンウイーク中はほぼ予約で埋まるなど人気を集めた。宿泊客の目的はさまざまながら、思い思いのスタイルでつかの間の滞在を楽しんでいたという。両施設の関係者は「多くの人に金山の魅力を知ってもらい、地元が元気になればうれしい」と口をそろえる。 (上田千秋)

 「若い人からは『おばあちゃんの家に来たみたい』と言われます」。「花緑里(はなみどり)」で朝食の調理などを担当している細江弘子さん(69)はこう語る。

 花緑里は、細江さんの次男尚吾さん(39)が2020年8月に同町乙原で1軒目を開業。21年5月の同町祖師野に続き、3軒目の「花緑里菅田ほたるの里」が同町菅田桐洞にできた。1人でも貸し切りにできるのが売りで、3軒とも希望者には、弘子さんが作るご飯と具だくさんのみそ汁、漬物といった簡単な朝食を無料でサービスしている。

 

 国内外から客が訪れ、各施設を拠点に同市や高山市の観光、スキー、釣りなどへ出かけて行く。尚吾さんは「スーパーで買い物をし、他の店にも寄ってくれる。空き家の活用と合わせ、金山全体の活性化につながってほしい」と話す。

 
いろりの前で、地元の野菜などをふんだんに使った食事を紹介する金森さん=いずれも下呂市金山町で 

いろりの前で、地元の野菜などをふんだんに使った食事を紹介する金森さん=いずれも下呂市金山町で 

 同町田島では、金山児童館の館長を務めていた金森亜紀さん(55)が「樹々庵」をオープンさせた。築100年超の古民家を改修し、野菜や山菜など地元で取れる食材をふんだんに使った料理を出している。いろりでアユを焼いたり鍋を煮たりし、鹿肉も提供する。

 特長は、田植えや野菜の収穫、山の草花を使ったリース作りといった田舎暮らしの体験ができること。「周囲の山々を眺めながら縁側でごろごろするとか、何もしないでゆっくり過ごしてもらってもいい」と金森さんは説く。

 他にも狙いがある。下呂市南部に位置して岐阜市や名古屋市に比較的近い同町は若者らの流出が止まらず、人口減のスピードが急。金森さんは、民泊の経営を通してその流れを少しでも食い止められればと考えている。

 神奈川県鎌倉市出身の金森さんは結婚を機に同町に引っ越し、2人の子を育てた。その経験から「自然の中で遊ばせながら子育てができ、こども園での農業体験も充実している。宿泊客に金山のそうした良さを伝え、移住につながるのを期待している」と強調した。

 問い合わせなどは両施設のインスタグラムから。