ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 近畿 2023年06月07日
栗東市の蜂屋遺跡から出土した法隆寺ゆかりの瓦の展示が6日、近江八幡市安土町下豊浦の県立安土城考古博物館で始まった。県教委が実施した同遺跡の発掘調査で2018年に溝跡から見つかった、法隆寺の瓦と同じ文様の瓦のうち3点を展示している。7月20日まで。
忍冬文(にんどうもん)単弁蓮華文(れんげもん)軒丸瓦は、焼失以前の法隆寺若草伽藍(がらん)跡などで出土した瓦と同じ道具(文様型)で作られたとみられる。一部が欠けており、復元径は18.2センチ。
複弁八弁蓮華文の法隆寺式軒丸瓦は、径18センチ、長さ43.7センチ。唐草文の法隆寺式軒平瓦は幅34.3センチ、長さ44.5センチ、高さ5.6センチ。飛鳥時代後半に再建された世界最古の木造建造物として知られる、法隆寺西院伽藍の金堂や塔の軒先を飾った瓦と同じ文様が見られる。
天平19(747)年に記された法隆寺の財産目録には、蜂屋周辺に法隆寺の田畑、倉があったと記されている。寺院の記録はなかったが、瓦が出土したことで、法隆寺ゆかりの寺の存在がうかがえるという。
月曜休館。7月17日は開館、18日休み。大人500円、高校大学生320円、小中学生は無料。(松瀬晴行)