ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 近畿 2022年08月25日
米原市顔戸に残る古墳時代初期の遺跡群「顔戸遺跡群」の発掘調査速報展が、近江はにわ館(米原市顔戸)で開かれている。土器など29点が展示され、現在は田畑として利用される場所にかつては集落があった形跡がうかがえる。
市は市道新設に伴い、2019~22年、顔戸遺跡群を構成する長門寺、顔戸、高溝、正光寺の4つの遺跡を調査。このうち長門寺、顔戸、高溝の3遺跡から、須恵器や土師器が出土するなど成果があった。
今回の調査で竪穴建物などが見つかったことから、集落が、豪族・息長氏の古墳が残る「横山丘陵」の南西麓に広がっていたことが判明した。また集落の北部では沼地跡を検出。下層からは古墳時代前半の土師器が、上層から飛鳥時代の須恵器などが出土したことから、沼地は飛鳥時代より前に埋められたと推測されるという。
市の担当者は「息長氏の古墳だけでなく、周辺で生活していた人々の遺跡についても知ってもらえたら」と呼びかけている。
会場では顔戸遺跡群の展示にあわせ、息長古墳から出土された品などを紹介する企画展「発掘された息長古墳群」も実施。いずれも9月25日まで。(形田怜央菜)