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【長野】現代アート、自由な表現 松本市美術館、信州現展始まる

ジャンル・エリア : 展示 | 甲信越 | 芸術  2023年10月12日

仏様の手が軟らかな線で描かれた戸谷さんの日本画(左)。個性あふれる現代美術作品がそろう=松本市美術館で

仏様の手が軟らかな線で描かれた戸谷さんの日本画(左)。個性あふれる現代美術作品がそろう=松本市美術館で

 現代美術家協会信州支部の作品展「第21回信州現展」(中日新聞社後援)が11日、松本市美術館の市民ギャラリーで始まった。個性豊か、多彩な現代アートが鑑賞者の目を引いている。15日まで。

 絵画、デザイン、立体、工芸、写真の各分野で、県内の支部会員を中心に、信州ゆかりで愛知県など県外在住のふるさと支部員、地域公募作家ら合わせて49人の77点を展示。全体に抽象的で大型作品が多い。今年は20代を含む9人が初出品で若返りも。国際交流出品として東京の「現展」に寄せられたブラジルやパキスタンなど外国作家4人の作品も飾った。

 支部会員の渡辺泰史さん(軽井沢町)は京の都をミクストメディアで500号の大作に描ききった。竹内功さん(長野市)は2019年の千曲川堤防決壊による水害の犠牲者を鎮魂する赤々とした送り火を油彩で表現。黒沢増博さん(塩尻市)は細胞をイメージした幾何学模様の平面アートを出品した。

 公募の戸谷由紀子さん(長野市)は、慈愛、慈悲を象徴する仏様の手を軟らかな線、厳かな色調で日本画に。赤羽孝之さん(飯田市)は「くよとの桜」の画題で地元の名木を観音開きの画材に鉛筆で描いた。

 20年来のテーマという人と人、人とモノなどの「つながり」をカラフルな帯で絵にした小林幸雄支部長(71)=上田市=は「信州現展は、型にはまらない作家の、自由な創作の集大成」と話し、鑑賞を歓迎している。入場無料。午前9時~午後5時(最終日は午後3時)。(逢沢哲明)