ジャンル・エリア : グルメ | 三重 | 果物 | 特産 2023年11月14日
多気町多気中の生徒が地元企業と協力し、傷があり出荷できなかった柿を使った菓子「柿シベリア」を開発した。生徒たちは「柿の味がしっかりしていて、甘くておいしいので、ぜひ食べてほしい」と呼びかけている。
「シベリア」とは、ようかんやあんこをカステラ生地で挟んだ和洋折衷のお菓子。「柿シベリア」は傷のある柿をペースト状にしたあんを挟んでいる。柿が持つ独特の甘みと粘りが、ふわふわのカステラ生地とマッチしている。
商品開発の始まりは2年前。当時の2年生が、総合的な学習として町内の農家で柿の収穫体験をした。この際、傷があり出荷できない柿の存在を知った生徒は、キズ柿を活用した商品を考え体育館で発表会を開いた。ドレッシングやジャム、さらには香水などさまざまな案が出たが、この時は商品化が難しく実現することはできなかった。
それでも発表会をオンラインで聞いていた食品卸売などを手がける会社、国分中部(名古屋市)の高橋典裕経営統括部部長(53)が「生徒たちの思いを一つでも実現できないか」と地元企業や相可高校(多気町)に協力を呼びかけた。レシピは同校食物調理科の生徒が考案したものを基に、笹屋(松阪市)や、辻製油(同市)が関わり、「柿シベリア」が完成した。
パッケージは現在の多気中3年生が考案。4クラスがそれぞれ5つの案を出し合った。その中から2種類が採用され、岡田パッケージ(同町)が商品化。表面のデザインを考えた生徒(15)は「ぱっと見て柿と分かるようにというのと、見つけてもらいやすいように鮮やかな感じを意識した。がんばって描いたからうれしかった」と笑顔を見せた。
「柿シベリア」は多気町五桂の「ごかつら池ふるさと村マルシェグランマ」で、1個190円(税込み)で販売している。同町のふるさと納税の返礼品としても扱っている。
(芦原遼)