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【岐阜】下呂に鶏ちゃん専門店オープン メーカー直営、肉の種類と味付けを選べるよ

ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 岐阜 | 特産  2023年12月20日

のぼり旗を持って店内に立つ日下部社長=下呂市で

のぼり旗を持って店内に立つ日下部社長=下呂市で

 下呂市や郡上市で古くから食べられてきた郷土料理「鶏ちゃん」の専門店が21日、下呂市湯之島にオープンする。パックメーカー「萩原チキンセンター」(同市萩原町)が、地元のソウルフードともいわれる逸品の魅力を内外に発信したいと、直営店を設けた。イベントなども開いていきたいといい、岐阜の食文化が広まる一助になればと願う。

 鶏ちゃんは、卵を産まなくなった「廃鶏」を食べたのが始まりとされ、1950年代になると精肉店や飲食店でも取り扱うようになった。1口大に切った鶏肉をみそやしょうゆベースのたれに漬け込み、キャベツなどと一緒に焼いて食べるのが一般的だ。

 直営店「お食事処 萩屋ケイちゃん」では、肉の種類と味付けを自由に選べるのが一番の売り。肉は若鶏、親鶏、奥美濃地鶏、味はみそ、しょうゆ、塩の3種類ずつから好きな組み合わせを注文できる。萩原チキンセンターの日下部讓(じょう)社長(55)は「鶏ちゃんを出す店は数多くあっても、いくつも仕込めないので肉の種類や味が決まっている。パックメーカーの強みを生かした」と説明する。

 店内は70席あり、誰もが入りやすいようにと1人で座れるカウンター席や、子連れでもくつろげる小上がり、個室などを設けた。フリーWi-Fiのほか、各テーブルにUSBポートと電源を配備し、性別に関係なく使えるトイレにはおむつ替え台を置いた。鶏肉を扱う店だけに、照明カバーは卵の殻をイメージした形にし、卵の殻を再利用した壁紙も使っている。

 街に新たなにぎわいを生み出すのも狙いの一つ。店が入る建物は下呂温泉街の中心に位置し、観光客が多い通りにありながら、以前に入っていたパチンコ店が6年前に閉店してから空いたままになっていた。

 日下部社長は、パックメーカーや飲食店などでつくる団体「鶏ちゃん合衆国」の副大統領兼商務長官も務める。同団体は鶏ちゃんのおいしさを各地に伝えるため、ガイドブックを作ったり、イベントでPRしたりとさまざまな活動をしてきた。

 日下部社長は、少しずつ知名度は上がってきたとしながらも「まだまだこれから。誰が食べてもおいしい鶏ちゃんの素晴らしさを、世界中に広めていきたい」と強調した。 (上田千秋)

 店の営業時間は午前10時半~午後4時半で、水曜定休。(問)萩屋ケイちゃん=0576(25)5151