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【長野】ヤークー願い投げ込め 昼神の旅館

ジャンル・エリア : オブジェ | 展示 | 温泉 | 甲信越  2024年01月23日

わら製の「ヤークー」の口に厄除けの願いを込めた紙を投げ込む来館者。周囲をひな人形などが彩る=阿智村の石苔亭いしだで

わら製の「ヤークー」の口に厄除けの願いを込めた紙を投げ込む来館者。周囲をひな人形などが彩る=阿智村の石苔亭いしだで

 阿智村昼神温泉郷の旅館「石苔亭いしだ」が今年も、厄を払うとするわら製の「ヤークー」を館内の能舞台に設置し、22日にお披露目式をした。干支(えと)にちなんで竜をイメージした姿。ひな人形2千体のつるし飾りなども周りを彩り、来館者を迎えている。(近藤隆尚)

 今年のヤークーは全長10メートルほどで、重さ約50キロ。能舞台のはりに沿ってつるした。制作は「横前造園デザイン事務所」(飯田市)。希望者は人型の紙に名前などを書いて丸め、厄を取り除いてもらうよう願ってヤークーの口に入れる。

 周囲につるしたひな人形はタイ、扇など55種類。床や棚に置かれた段飾りのひな人形200体とともに能舞台を華やかにしている。

 昼神温泉郷では、温泉施設を守るとされるわら製の「湯屋守」の設置が2007年、地域おこしの一環として始まり、各旅館が入り口近くに飾っている。石苔亭いしだは湯屋守を基に、20年からヤークーを設置。名称は、村阿智第三小児童から募り、アニメーション作家の宮崎駿監督が選んだ。例年は能舞台の床に置くが、初めてつるすスタイルにした。

 プロデュースを担う「タレントマネジメント」(同村)の逸見尚希社長は「今年は当旅館40周年、経営会社50周年。昨年の構想開始以来、ヤークー制作に力を入れてきた。能登半島地震が発生し、被災地への思いも込めた。より多くの人の気持ちを受け入れようと、構想時より顔部分は大きくなった」と話す。

 披露式では神事、和太鼓アーティスト塩原良さんの演奏などの後、宿泊者や一般来館者も参拝し、ヤークーの口に紙を投げ入れた。

 ヤークーの設置は夏まで。ひな飾りは4月3日まで。