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【富山】志功 あふれる福光愛 愛染苑、帰京後の作品展示

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 芸術  2024年01月23日

棟方志功の作品が並ぶ会場

棟方志功の作品が並ぶ会場

 世界的な板画家、棟方志功(1903~75年)の作品を集めた愛染苑(えん)(南砺市福光)の企画展「懐邦頌(かいほうしょう)展」が開かれている。3月25日まで。

 棟方は、1945(昭和20)年から6年8カ月の間、旧福光町(現南砺市)に疎開し、作家活動に取り組んでいた。今回の企画展では、疎開を終えて東京に戻った後に福光を思って作った作品を中心に、板画や倭(やまと)画、書など59点を展示している。

 八尾町(現富山市)での疎開を経験した歌人、吉井勇の歌に合わせた板画「流離抄板画巻(りゅうりしょうはんがかん) 深々の柵」(53年)では、雪に覆われた福光の風景を描いた。福光での作家活動を支えた石崎俊彦さん(1912~2003年)宛の年賀状では、打ち出の小づちやコイ、鶴と亀などの縁起の良い板画に「語り合いたいです」などのメッセージが添えられていた。

棟方が石崎俊彦さんに宛てた年賀状=いずれも南砺市福光の愛染苑で

棟方が石崎俊彦さんに宛てた年賀状=いずれも南砺市福光の愛染苑で

 企画展の担当者は「年賀状だけでも石崎さんとの交流の深さを感じられる。世界的な板画家が愛した福光の魅力を感じる機会にしてほしい」と話した。

 愛染苑では年4回の企画展を開き、棟方作品の魅力を伝えている。火曜は休み。(広田和也)