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【岐阜】廃材で芸術を身近に 県博物館で、竹や段ボール使った作品展

ジャンル・エリア : オブジェ | 展示 | 岐阜 | 芸術  2024年01月31日

竹を材料に作った「ねこのバンド」を紹介する野倉さん

竹を材料に作った「ねこのバンド」を紹介する野倉さん

 使われなくなった竹や段ボールなどの廃材を使った作品を集めた「廃材がartに変わる 竹・木材のart ダンボール工作」が関市小屋名の県博物館マイミュージアムギャラリーで開かれている。3月10日まで。(金田侑香璃)

 出展したのは、各務原市川島町の野倉光春さん(75)と岐阜市柳津町の暮石樹さん(67)。2人の廃材を活用した作品を通して芸術は難しいものではなく、もっと身近なものであることを伝えようと、博物館が展示を打診し、実現した。

 野倉さんは、竹や木材を材料にした昆虫や動物など約180点を飾った。定年後、知人から贈られた竹でできたウサギを模作したことを機に制作を始めた。作りたいものをイメージし、竹をのこぎりや小刀で切ったり削ったりしてパーツを作る。それらを組み合わせて接着することで作品を完成させる。

 リアルなテントウムシやトンボなどの昆虫、ネコがさまざまな楽器を奏でる「ねこのバンド」など、素材の形や色を生かした作品が目を引く。より立体的に作りたいと、3年ほど前から木彫にも挑戦。恐竜やウサギは丸みがあり愛らしい雰囲気を持つ。

童話を題材にした作品や鬼の面を出品した暮石さん=いずれも関市小屋名の県博物館で

童話を題材にした作品や鬼の面を出品した暮石さん=いずれも関市小屋名の県博物館で

 暮石さんは、童話などを題材にした段ボール工作約40点を出品。知人の保育士に頼まれて段ボールで鬼の面を作ったことが制作のきっかけ。面だけでなく他の題材で人形を作ったところ好評だったため、現在では多彩な作品を手がける。

 設計図などは書かず、イメージが浮かぶと段ボールに向かう。一番大切なのは顔だといい、表情豊かな作品を段ボールの質感を生かしながら作る。大きなカブやブレーメンの音楽隊は、いくつもの人形が組み合わせてあり物語の一場面が浮かぶ。電車は運転席を立体的に作ることで奥行きを生み出した。どれも色鮮やかで懐かしさや楽しさを感じる作品がそろった。

 野倉さんは「楽しく研究しながら作った。たくさんの人に見てもらいたい」とPR。暮石さんは「ぱっと見てかわいいな、なつかしいなと思ってもらえたら」と話す。午前9時半~午後4時半。入館は午後4時まで。月曜休館。マイミュージアムギャラリーは入場無料。