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【愛知】猫が手招く60年に1度のパワースポット 龍泉寺で学ぶ『足るを知る』大切さ

ジャンル・エリア : 動物 | 愛知 | 生き物 | 神社・仏閣  2024年01月31日

本堂近くに座るネコ

本堂近くに座るネコ

 今年、「60年に1度のパワースポット」として、守山区の龍泉寺が注目されている。十二支で辰(たつ)年であることに加え、「尾張四観音」の中で今年の恵方の東北東に当たり、一層の御利益があるとして例年以上にお参りする人が増えている。近年はネコが集まる「猫寺」としても人気な寺を、多数の参拝客が見込まれる2月3日の節分会を前に訪れてみた。

 1月下旬の平日の昼すぎ、寺に続く参道を上ると、重厚な国重要文化財「仁王門」が迎える。早速、門の通り道で丸まっている1匹のネコを発見。そっとそばを通り抜けようとしたが、逃げていってしまった。境内には地元住民をはじめ、大きなキャリーケースを引く観光客の姿もあり、平日の昼間でも人が絶えない。

 「『パワースポット』として、今年は若い人の参拝も多い」と、住職の佐藤正延さん(82)は語る。昨年の大みそかから元日にかけてもにぎわい、除夜の鐘を突こうと並んだ人が参道まで続き「皆さんが突き終わる頃には空が明るくなっていた」と振り返る。

龍泉寺を案内する佐藤住職

龍泉寺を案内する佐藤住職

 御利益にあずかろうと集まる人々を尻目に、気ままに暮らしているのがネコたちだ。佐藤住職によると、境内や隣接する霊園には20匹ほどが暮らし、本堂の廊下や鐘突き堂で日なたぼっこしたり、暖房の効いた寺務所の中で休んだりと、自由に生活している。

 元々ネコ好きだった佐藤住職が、30年ほど前から野良猫にえさを与え始めたのがきっかけ。参拝客からの寄付などを基に不妊去勢手術を施しており「地域猫」として見守っている。ネコに会いに寺を訪れる人も多い。佐藤住職は「ネコの姿は必要以上に求めない『足るを知る』ことの大切さを教えてくれる」と目を細める。

 本来は日曜と祝日のみ開場している展望台にも入らせてもらった。庄内川を挟んで濃尾平野を一望でき、はるか向こうに金華山(岐阜市)も望める。ネコたちの姿や展望台からの景色に癒やされていると、ここが「パワースポット」と呼ばれる理由も分かる気がした。

 (芝野享平)

展望台からの景色=いずれも守山区竜泉寺1で

展望台からの景色=いずれも守山区竜泉寺1で

 尾張四観音 徳川家康が名古屋城を築いた後、城から見て鬼門の方角にあたる四つの寺院を「尾張四観音」として定めた。東北東の龍泉寺のほか、西南西の荒子観音(中川区)、北北西の甚目寺(あま市)、南南東の笠寺観音(南区)からなる。節分にその年の恵方の寺を参拝すると御利益が大きいとされている。