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【岐阜】関ケ原合戦調査で功績、郷土史家・神谷道一 古戦場記念館で企画展、資料やパネルなど

ジャンル・エリア : 展示 | 岐阜 | 歴史  2024年02月08日

神谷道一の功績を紹介するパネルや資料=関ケ原町の岐阜関ケ原古戦場記念館で

神谷道一の功績を紹介するパネルや資料=関ケ原町の岐阜関ケ原古戦場記念館で

 関ケ原合戦に参戦した武将の陣跡を推定して現在の布陣図の基を作った明治期の郷土史家、神谷道一の取り組みや功績を紹介する展示が、関ケ原町の岐阜関ケ原古戦場記念館で開かれている。3月3日まで。(甲斐崎颯斗)

 神谷は久々利村(現可児市)生まれ。測量調査や関ケ原合戦に関する文献などを基に正確な陣跡が不明だった徳川家康や石田三成、本多忠勝など多くの武将たちの陣跡を割り出した。

 展示では福島正則ら東軍第一陣の武将たちの陣跡特定までの足取りを例に、可児市や県の資料を用いて神谷の功績を紹介。記念館学芸係の林良樹さんは「神谷は資料だけでなく、現地での聞き取り調査とも照らし合わせていた」と話す。パネルでは松尾村(現関ケ原町松尾)の村長からも聞き取りをし、福島の陣跡が井上神社前であると推定した過程が紹介されている。

 調査結果に基づき、何もなかった関ケ原に次々と木製の標柱が立っていった。神谷の調査は観光資源の一つになり、昭和初期のガイドパンフレット「関原古戦場及名所之図」には布陣図が描かれている。

 林さんは「神谷の調査は観光業のみならず後の研究にも寄与している。通常の歴史展とは違う切り口の展示を見てもらいたい」と話している。

 観覧には記念館の入館料(一般500円、高校・大学生300円)が必要。