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【福井】「光る君へ」放映に合わせ、福井市内各地で展覧会

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 福井 | 芸術  2024年02月08日

紫式部と同時代に造られた県内の仏像を解説する有馬さん=福井市の県立歴史博物館で

紫式部と同時代に造られた県内の仏像を解説する有馬さん=福井市の県立歴史博物館で

 平安時代の作家・紫式部を主人公にしたNHK大河ドラマ「光る君へ」放映に合わせ、福井市内で紫式部に関連した展示会が開かれている。20歳前後に武生(現越前市)で暮らしたとされる縁から、当時の福井の歴史に光を当てている。

同時代に造られた仏像見て 県立歴史博物館

 福井市の県立歴史博物館では、紫式部と同時代に造られた県内の仏像の写真17点を集めた写真展「平安の救いの姿」を一階のエントランスギャラリーで開催している。5月7日まで。

 担当学芸員の有馬香織さんは、平安時代の仏像を特集して「改めて気付かされた」と語る。それはどの仏像もどっしりした体つき、ふくよかな顔立ちであること。「時代ごとの好みがある。こんな見事に傾向が現れるとは」と驚いた。

 写真を集めるため、各地の寺院や神社を訪ねたという。この時代の仏像は、平安期に国府があったとされる丹南地域に多く伝わっていた。「越前の中心は古くから丹南だったと分かる。平安時代から千年以上、大事にしてきた。福井の魅力はまさにここにある」と解説した。

 観覧料は一般・大学生が100円、高校生以下と70歳以上は無料。(藤共生)

松平文庫に残る紫式部の関係史料を紹介する山本さん=福井市の県文書館で

松平文庫に残る紫式部の関係史料を紹介する山本さん=福井市の県文書館で

松平文庫に残る関係史料紹介 21日まで県文書館

 福井市の県文書館では、収蔵する福井藩の資料群「松平文庫」に残された紫式部の関係史料を紹介するテーマ展「松平文庫にのこる紫式部の足跡」を開催している。今月21日まで。

 10点の史料を展示した。「越前国主記」には紫式部の父・為時が越前守(えちぜんのかみ)に任命されたときの逸話が残され、「群書類従」には式部が残した130首の歌が記されている。

 変わり種では、江戸時代に発禁処分になった「源氏物語」のパロディー本「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」もある。担当学芸員の山本政一郎さんは「式部の影響は、江戸時代の民衆にも広く及んでいることが見て取れる」と指摘する。

 山本さんの考察もパネルで紹介している。式部の歌に記された白山を、武生から見られるポイントを探索し、その眺望を写真に収めている。さらに源氏物語の描写から「福井行きの経験が雪や嵐の描写のヒントになったのでは」と考察していた。観覧無料。(藤共生)