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【石川】震災で疲れた心に水引を 金沢の自遊花人 ミュージアム無料開放

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2024年02月19日

日ロ関係の黎明期を見つめ直す特別展の展示品=鈴鹿市若松中の大黒屋光太夫記念館で

200色超のランプシェード 幻想的な風景

 能登半島地震で避難している人に少しでも安らぎの時間を過ごしてほしい-。水引を使った新しい生活を提案している「自遊花人」(金沢市清川町)が水引ミュージアムを訪れる被災者、ボランティア、支援者を対象に無料開放を始めた。 (沢井秀和)

 200色余りのランプシェード(電灯傘)が織りなす幻想的な風景。交流サイト(SNS)でミュージアムの様子が紹介されると、それを見た人たちが遠くからもやってくる。来場者が驚くのは、シェードが伝統的な水引を結んでできていること。しかも、同じ色はない。水引の多彩な糸を開発してきた自遊花人ならではの風景だ。

 部屋には、水引でできた風炉先屛風(びょうぶ)、パーテーションなどが展示されている。昨年9月から入館料500円で一般公開している。

 無料開放は、珠洲市内で被災し、避難してきた人たちが1月中旬に家族6人で訪れたのがきっかけ。そのうちの女性が「心が安らぐわ」と楽しそうに話したという。応対した社長の廣瀬香治さん(48)は「私たちの水引で、気持ちが楽になる人がいる。ありがたい」と、逆に励まされた。ボランティアに行けず、大企業のように寄付ができない自分たちもできることがあると気づいた。

 1月下旬には、金沢市内の若い男女が訪れていた。女性(22)は、今回の無料開放について「被災された方が金沢の文化に触れて楽しんでいただけるなんて、すばらしいこと」と笑顔を見せた。

 廣瀬さんは「金沢の文化を通じて支援できることがある。こんな輪が広がってくれたら」と話している。被災者、被災地ボランティア、支援者であることを受付で告げれば、無料となる。自遊花人(問)076(244)6441