ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術 2023年10月19日
衣服の記憶を焼き物に封印する現代美術作品を制作する金沢市のアーティスト山本優美(まさみ)さんの個展「往還する花花(はなばな)」が、同市東山2の元コケ専門店「hisoca(ヒソカ)」で開かれている。入場無料。22日まで。
大阪生まれの山本さんは金沢美術工芸大工芸科陶磁専攻を卒業後、ベルギーの国立ラ・カンブル美術大や金沢卯辰山工芸工房で技術を磨き、現在は金沢を拠点に活動している。かつて誰かが身に着けていた衣服や靴、手袋などを陶土に置き換え、焼成することで、半永久的に形をとどめる「記憶のメディア」になると考えている。
個展ではすてきな中庭がある会場にちなみ、花の刺しゅうやレース模様のあるブラウスや手袋、ハンカチを白い陶に置き換えた作品など6点が並ぶ。糸の縫い目やレースの立体的な網目模様、革の表面のざらつきなど、本物と見まごうほどのリアルな質感や細部の再現に驚かされる。
会期中無休。正午~午後6時。(問)彗星(すいせい)俱楽部の中森あかねさん090(1637)6251
(小室亜希子)