ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 芸術 2024年03月14日
長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)の花の広場休憩所で昨秋から、季節ごとの花を描いたチョークアートが見る人を楽しませている。2月末には、春に同公園を彩るハナモモやチューリップなどの絵がお目見えした。 (伊藤ちさと)
制作しているのは、市内の県立芸術大で教育研究指導員を務める作家の高津ゆいさん(31)。普段はアクリルガッシュを用いて、動物を中心とする絵画や壁画などを制作している。
きっかけは昨年11月、休憩所を明るい雰囲気にしたいと、同公園管理事務所が白い壁に縦2.8メートル、横6.3メートルの黒板シートを貼り付けたこと。一拭きすれば一瞬で消せて簡単に絵を変えられることがチョークアートを選んだ理由の一つだ。同大から紹介を受けた高津さんに、公園内に咲く花をテーマに依頼。同11月に披露された初めての作品には、秋冬が見頃のロウバイやハボタンなどが描かれた。
春の花の制作期間は2月26日からの3日間。同大でデザインを専攻する1年の古関想さん(20)と2人で、ピンクや青、黄色など10色以上のチョークを使い、例年3月中旬に咲くハナモモやチューリップ、レンギョウなどを表現した。
チョークアートは絵の具と違って濃淡の表現がしにくい上、色の種類も少ない。単調にならないようチョークを強く押しつけたり、軽く握って薄く色を塗ったり、指でぼかすなどして変化をつけた。試行錯誤を重ね、1日7時間、脚立に乗るなどして画面いっぱいに満開の花を描いた。
「ぱっと見て色がきれいというだけでなく、公園内にどんな花があるのかを知るきっかけになれば」と高津さん。「知らない花があったら、周りの職員さんに尋ねてほしい」と話していた。春の花の展示は6月中旬ごろまでの予定。