ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 歴史 | 甲信越 2024年03月14日
国史跡「平出遺跡」などがある塩尻市宗賀地区の遺跡を紹介する企画展「塩尻の出土品大集合~宗賀地区の考古学調査」が、市立平出博物館で開かれている。31日まで。
市内には旧石器時代から中世までの遺跡が300カ所以上あり、宗賀地区では30カ所が確認されている。
企画展では平出遺跡をはじめ、縄文時代中期の拠点的集落があった「床尾中央遺跡」、平安時代後期の2軒の住居跡が見つかった「小怒田(こぬた)遺跡」など5遺跡を取り上げた。
展示品は、昭和20年代前半に平出遺跡内の畑で見つかり、のちの大規模発掘調査のきっかけになった県宝「緑釉水瓶(りょくゆうすいびょう)」など、各遺跡から出土した土器や陶器など計375点。発掘した住居跡や調査の様子が分かるパネル写真、注目すべきトピックスなども掲示している。
今回は遺跡への関心をより深めてもらおうと「発掘秘話」を紹介した。緑釉水瓶は取っ手部分が欠けていて、昭和20年代に一度修復されたが、「どうしてもしっくりせず、結局取り外された」というエピソードを披露。数々の説があるミロのビーナスの「失われた両腕」と同様に、緑釉水瓶の「失われた取っ手」も、見る人に想像する楽しみを与えてくれているとしている。小松学館長は「身近な所に遺跡が眠っていることを知ってもらい、地域の歴史に関心を持つ機会になれば」と話した。
入館料は一般300円、中学生以下無料。期間中は月曜と21日休館。(問)市立平出博物館=0263(52)1022
(一ノ瀬千広)