ジャンル・エリア ： 富山 | 展示 | 芸術　 2020年04月20日

「自然から得た感動を伝えたい」と語る松原賢さん＝金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」

　土や砂、墨などを使い、水や音などをテーマにした深遠な自然観を独特の手法で表現する画家松原賢さん（７２）＝栃木県那須町＝の個展「松原賢展－水天彷彿（ほうふつ）」（北陸中日新聞後援）が、金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」で開かれている。５月２６日まで。

　松原さんは上市町生まれ。国際的に活躍した画家井上三綱さんに師事した後、独特の画風を獲得した。土から作った顔料を和紙に塗った下地に、曲線と直線の幾何学的な模様で音をテーマにして描いた「玄」のシリーズ、富士川の川砂と墨を使って水を題材にした「景」のシリーズなど近作１７点が並ぶ。

　「自然から得た感動を人に伝えるのが役目だと思っている」という松原さん。もやのかかった水面にさざ波が静かに漂うさまを描いた「水景」、月光が湖面に浮かぶ「月聲（げっせい）」などは、見る人を自然の本質に向き合った時にこそ感じる内省的な世界に誘う。

　開廊時間は正午～午後５時。水、木曜は休廊。ほかに臨時休業する場合がある。　（松岡等）