ジャンル・エリア : オブジェ | 展示 | 石川 | 芸術 2022年12月19日
自然をテーマに制作する金属造形作家、釋永維(しゃくながゆい)さん(41)=富山県立山町=の個展「風の旋律」(北陸中日新聞後援)が金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」で開かれている。軽く伸びやかな「風」のシリーズの新作オブジェなどを展示する。25日まで。
釋永さんは越中瀬戸焼の窯元に生まれ、高岡短期大(現富山大芸術文化学部)専攻科産業造形専攻修了。装身具メーカー勤務を経て、金沢卯辰山工芸工房でも学んだ。
壁に掛けられた「風」シリーズでは、鍛金して無数の穴を開けた真ちゅうの板を細くリボン状にし、曲線的に組み合わせた。青、黄、白の3色のバリエーションがあり、軽やかな造形それぞれが風の動きを内包しているかのよう。
ほかに、あえてわずかな鍛金の跡を残すことで表情に変化をつけた「月影」シリーズの皿や、内側に空気を含んだような立体的な曲線が美しい器なども展示。「金属という素材の重さを解放し、いかに軽さや動きを出すかに挑戦している」と釋永さん。「『風』シリーズで、色の変化や伸びやかなラインを楽しんでもらえたら」と話した。 (松岡等)