2009年04月07日
アルジェリア・オラン空港に到着しコンベヤーに載った自分のかばんを見て、目を疑った。かすかに変形し、鍵が壊れている。中を調べると、誰かに荒らされた跡がありあり。その場では一眼レフカメラが無事だったので安心していたが、後で、取材で使うICレコーダーが盗まれているのに気が付いた。
3年近い中東生活で鍵まで壊されたのは初めて。中東は新聞記者だというだけで、スパイの嫌疑をかけられる土地柄だ。盗まれたレコーダーに過去の取材記録も入っていたので、情報当局による犯行かとも思ったが、あまりに手口が稚拙で、その推測にも難がある。
取材した石油輸出国機構(OPEC)の総会は厳重な警備で守られ、もてなしも温かかった。だけど、ホテルで街に出たいと聞くと「スリが多いから行かない方がいい」とも。十数年前まで内戦が続き、今もテロが起きる土地。人の心がすさんでいてもしょうがないか。 (浜口武司)