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ハルツーム 不満の矛先、報道にも

2019年07月29日

 民主化デモが続くスーダンの首都ハルツーム。国防省前の一帯は座り込みで占拠され、音楽コンサートの会場のように日夜熱気に包まれていた。驚いたのは意外に統制が取れていたこと。デモの場所に着くまでに3カ所の手荷物検査場があり、いずれも黄色やオレンジのベストを着たボランティアが担った。

 興奮した参加者同士が小競り合いすると、周囲が「平和的に」と連呼を始めて収める。臨時ラジオ局が開設され、迷子の案内もしていた。現場で会ったアフリカ在住30年以上のフリーカメラマン中野智明さんは「スーダンでなければ暴徒化していただろう」と話した。

 ただ、さすがにたじろいだ瞬間があった。集会を取材する際、ステージ前に設定された報道陣用スペース周辺の群衆から殺気立った声が飛んだ。「あいつはスーダンのメディアだ!」

 バシル前政権寄りの現地メディアの記者が会場から強制排除されていく。前政権と親密だったカタールの衛星放送アルジャジーラの車両が群衆に取り囲まれる一幕も。民主主義を求めるデモ隊による「言論狩り」に、独裁支配への不満の根深さを思い知った。 (奥田哲平)

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