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台北 銭湯だけは心も裸に

2009年05月25日

 風呂場で注意されたのは子どもの時以来だろうか。

 台北市北部の温泉地。水着着用、混浴の露天浴場は市中心部からほど近く、地元住民や観光客でにぎわっている。湯船のへりに腰掛けていると、監視員の男性から注意を受けた。「滑りやすいから気を付けろ」

 いい気分で火照りを冷ましていただけにやや興ざめしたが、直後に年配女性が湯船に滑り落ち、傍らにいた自分の腕にしがみついたため十分納得した。

 近くには、日本統治時代に開設された銭湯がある。ここでは若者グループが常連客に注意された。浴槽内の手前にたむろしてつかっていた彼らに、その中年男性は「場所を空けろ」と促し、さらに「長風呂は良くない」と指摘していた。

 台湾の人たちは総じて他人からの干渉をあまり好まない。とはいえ公衆浴場で適度に干渉し合うのは、風呂好きゆえのマナーなのだろう。

 (栗田秀之)

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