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台南 学生より古参の風格

2009年06月02日

 台湾は北回帰線を境に北が亜熱帯、南は熱帯。気候の違いが風土に微妙に影響するのだろうか、台南県をはじめとする台湾南部は時間がゆったり流れる感じがする。

 台南芸術大学では、広々とした芝のキャンパスに多彩な野鳥が飛び交う。そのゆったり感は、学食に立ち寄るとさらに濃くなる。

 昼食時でにぎわう中、1匹の犬がテーブルからテーブルをプラプラ渡り歩いている。白い中型の雑種で名前は「小白」。8年前から働く従業員によると、既にその当時、小白はキャンパス内で暮らしていた。

 食事客にねだっているのだが、決してガツガツしていない。おこぼれにあずかると、しばらく足元に寝そべり、やがて別のテーブルへ移動する。

 ゆったりした空気の中に溶け込んでいる小白は、午後の授業が始まって学生たちがいなくなると、悠然と学食を立ち去るという。  (栗田秀之)