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台北 誇りにじむ両雄の弁

2009年09月15日

 クールビズの立役者、コシノヒロコさんが台北を訪れた。台湾のトップデザイナー、王陳彩霞さんとともに語った仕事観、人生観には両人の気概がにじみ出ていた。

 育った環境は対照的。コシノさんは、能の師匠だった祖父の影響を強く受け「血の中に日本や東洋が子どものころから入っていた」。王陳さんは貧しい家庭に育ち、小学校しか出ていない。「この環境がなければ力強い性格はない。学問がなければ技術を持たなければいけない」

 制作のモットーも「自分がやりたいものは多くの人も求めている」(コシノさん)、「努力の限りを尽くして前作を上回る」(王陳さん)と“らしさ”が出ている。

 今、洋服と東洋文化の融合がブームだという。「本当のアジアの良さは欧米人には分からない」「美しい中国文化を伝承する」と表現の違いはあれ、歯切れの良さは共通していた。 (栗田秀之)