2022年12月21日

　バンコクで先日開催された国際展示会の取材を申し込んだところ、主催者側から「ＡＴＫの結果を提示してほしい」と要請された。ＡＴＫは抗原検査キットのこと。入場にあたり、新型コロナウイルスの陰性を証明しなければいけないという。

　支局のスタッフにＬＩＮＥ（ライン）で「ＡＴＫはどこで買えるの？」と尋ねると、「７−１１（セブン−イレブン）」とひと言。近くのコンビニで４９バーツ（約２００円）で売られていた検査キットを手に取った。

　キットに同封されていた品質証明書には、中国浙江省杭州市の企業名が記されていた。説明書の手順に沿って自宅で検査を進めてみる。ものの数分で「陰性」を示す線が浮き出てきた。果たして精度はどの程度なのだろうかなどと考えながら、陰性の結果が示されたＡＴＫをカバンに入れて会場へ向かった。

　ところが、会場の受付でＡＴＫを取りだそうとすると、「マイペンライ（気にしないで）」と担当者。思わず「要らないの？」と聞き返してしまった。結局、ＡＴＫの結果は確認されないまま取材を終えた。厳格なようで緩いところがいかにもタイらしい。　（藤川大樹）